「おや、こんなところに新しいお店が」

・寿司P/しゅんしゅんP/少年P/ちゃたまるP/天穹P/ヒトコトP/洋生P/POPOLP/覆面作家P/ice2002/柚子ポンP


いやぁ、不意を突かれた。まさか水面下でこのような合作が進行していたとは。
そのタイトルを見れば一目瞭然。「黒薔薇の刻を」をリスペクトした、大人の男女の関係と見目麗しいダンサーが紡ぎ出す酒の美味くなる動画。寿司Pが主催なのでこういうちょっと笑えるタイトルになったんですねw



テキストとPVを交互に繋いでしっとりとしたジャズを聞かせてくれるのは無論のこと、単なるスタイルの模倣だけに終わらない新しい試みも多く見受けられます。



実写写真のみならずice2002さんによる手描きでの多くの情景描写がなされたり。



PVとテキストの同時表示があったり。



自作ステージと画像合成が圧巻の思わず目を奪われるいつものライブハウス無しというパートがあったり。



本家の構成を踏襲しつつも自分達がやりたいこともしっかりと詰め込んでいる、新しいお店でもあり、新しいお酒でもある。そんな新鮮な味わいが心を潤してくれます。
何と言っても本家「黒薔薇」ではまず有り得なかった「アイドルのストーリー側での出演」。これが最も挑戦したかったことではないでしょうか。そのための舞台を整え、こうした不思議なことがあってもおかしくはないお店を用意する…。フィクションとは言え、こうした説得力を持つ設定を書ききった寿司P、覆面作家Pの両名の力量にはやはり手慣れたものを感じます。



そのストーリー側では1つ上手いミスリードがありましたね。
イラストを発注する際にあえて「そう仕向ける」ようなものを依頼したのでしょうか。おかげで例の文章が表示された時に「そういうことなの!?」と驚き、ドアが開いたところで「そういうことか!」というカタルシスが味わえる。
この2段、3段と仕組まれた驚きとイラストがあるからこその展開。これもまた赴き深い味わいを生んでいたのではないでしょうか。



PVサイドの話をしますと、やはり本家「黒薔薇」の熟された味わいにはちょっと及んでないかな、という感想が出てきてしまいますが、まだ若い酒であると思えばこれもまた違った味わい方があるというもの。
それに開幕を華々しく飾った少年Pや先に記した自作ステージを含む全体の完成度の高さが印象深いちゃたまるPなど、個々のクオリティは勿論確かなもの。今回限りかどうかは分かりませんが、出来ればこうした試みはまだまだ続けて更なる深みを、そして個人個人の新たな魅力を我々に見せ付けて貰いたく思います。



「黒薔薇」ファンとしてはこれ以上ない嬉しいサプライズを届けてくれた参加者の皆様。
是非とも第2夜の開催をお待ちしておりますよ、ありがとうございます。