その一言を伝えるために

・でんまるP

ミクからは願いを。
春香からは激励の言葉を。


2人の娘から全てを託された「お父さん」は希望と決意を胸に、遥か未来にさえその痕跡を残すという自分の夢に向かって歩き出す…!



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堂々完結致しました「おとといキマスター」。
始まった当初はまさかこれほど壮大なSFを交えた感動巨編になるとは思ってもみませんでした。
(勿論、私もご他聞に漏れずタイトルは単なる語呂合わせだとばかり思っていましたから。)



自分達視聴者の側にあった「生身のアイドル対電脳の歌姫」という暗黙の了解を、最後の最後で見事に吹き飛ばしてみせるという大どんでん返し。実は「未来のプログラム対現代のプログラム」という構図だったとは…。
おそらくは主人公以外の全てのアイマスサイド関係者が未来からの干渉者だったのでしょう。絵理のスーパーハカー能力も他のアイドルの発言も、今見直してみると「そういうことだったのか」と合点がいきます。
主人公の未来と自分達の行く末を守るための過去への干渉の舞台に選ばれたIUで起きた奇跡。前回ではミクにあの言葉を伝えさせたいがために起こした事だとばかり思っていましたが、あれはその奇跡を演出した側にもあの場でやらなければならない理由があったのだなぁ…。



最後の台詞が春香が主人公から受けた応援をそのまま返す形になっているとかもうね、反則ですわ。涙腺を刺激されないわけがない。正直なところ、春香にこの「お父さん」を言わせたいがための話だったんじゃないかとさえ思えてきます。



歌とアイドルの素晴らしさを皆に伝える物語であると同時に。
時空を越え、電脳世界の壁を越え、娘が父親に思いを伝える物語であった「おとといキマスター」
「オヤジのオヤジによるオヤジのための物語」というキャッチコピーに偽り無し。
本当に素晴らしい作品でした。完結おめでとうございます!
そして最後まで描ききってくれてありがとう!