演出が凝っててお気に入りのノベマス3作品

そこまで幅広く見ているわけではないですが、最近はノベマス、架空戦記界隈でも紙クリの度重なるバージョンアップもあってか、どんどん演出に凝った作品が増えてきています。
で、私の見ている作品、シリーズの中から「この方面に演出が特化されている」ノベマス作品を3つ選んでみました。
あくまで私の主観ですからねw



・無免許P

まずは全体的にハイクオリティと言える演出が特徴の無免許Pによる「アイマス借りてきた」。
友人から借りた幻の「SFC版 アイドルマスター」をプレイするプレイヤー、そしてそのゲーム中のプロデューサー、両方の視点を入れ替え、織り交ぜ、時に同化までして語られるサスペンス的要素の強い本作。
普段のプレイでは絶対に起きないようなバグを何度も体験してしまうプレイヤー。
そうしたバグを見たとされるプレイヤーはゲームごと消えて…!?という噂話まで友人の口から語られ、いよいよ物語はクライマックスへ!



とまぁ、そういうストーリーなのですが、やはり目を見張るのはギャグ、サスペンス双方で光る「特殊効果」。他作品ではあまり見られないような独自性のある演出が光るんですよね。凝った映像的仕掛けが満載でいつも驚かされています。


画面大揺れの有り得ない展開で視聴者の瞬間最大コメがついた場面。


「動く台詞」で外のドタバタがわずかに漏れ聞こえてくる様子を表した場面。何気にあずささんと伊織の身長差まで出している辺り芸コマすぎる。


突如の異変でゲームのプロデューサーとプレイヤーの意識が共有されつつも、僅かな違いを上手く表す上下台詞枠。


他にもどこかの無線の会話が混線して聞こえてきたり、プレイヤーの視点から電話で会話しつつモニターではゲームが進んでいる様子が見れたりと、ここ最近見たシリーズ作品では飛びぬけて画面演出が多い。しかも、無免許Pはこの作品がデビュー作なんですよねぇ…。
あとは3話後編で完結だとは思いますが、一体どのような結末が待っているのか、そしてどんな演出でそれを表現するのか。非常に楽しみです。


・簀巻きP

続きましては気軽に見れるドタバタギャグ作品。簀巻きPによる「春香さんまっしぐら!」です。
結構原作改変が入っていますので説明入れておきますと、


・春香さんは隙あらばPと結ばれたがっている(ただし妄想が先行気味)ご町内限定Bランクアイドル。テーマソング持ちで「ヘシン!」が可能。
・やよいもPが好きで、お兄ちゃん属性で攻めたり春香さんの妨害で先回りなどかなりアグレッシブ。恐ろしいほどの「まっちょちょん」だが千早は苦手。
・千早はPの妹で事務所には所属していない。可愛いやよいに目がなく炉気を感じる鋭敏なセンサーを持つ。兄妹揃ってナデナデナデナデナデナデナデ。



こんな感じ。とりあえずメインは上に記した3人+Pに小鳥さん、社長というところでしょうか。
P名の由来にもなった毎回おなじみの「簀巻き」や、「韋!駄!天!」のBGMと共に登場、爆走する春香さん、いつまで経っても直らない壁、などなどお約束をきっちり抑えた笑いどころと毎回バラエティに富んだ内容、そして気が付くといつの間にか「いい話」も練りこんでくるなど、毎回楽しませて貰ってます。


そんな簀巻きPは、BGM、SE、画面効果など多岐に渡り演出面の派手さがしっかりしているのですが、やはり特筆すべき演出点は「手描き」。



どうですか、この表情。
普通に描いた時は際立って上手い、というレベルではないのですが、これが漫画的表情、そして印象的なネタから持ってきた模写などを繰り返し挿入することにより「これぞ簀巻きPの味」としてしっかり確立されたものになってるんですよね。
このドタバタギャグコメディ路線との噛み合わせが凄くいい。


話が進むにつれ注意事項が入ったり、タイトルロゴがどんどん酷くなったり、サムネ用に模写・手描きを積極的に導入していったり、インターフェースも一新してみたりと試行錯誤しながら成長していってる様子も感じられて、話と共に簀巻きPの「楽しませよう」という工夫も楽しみだったりします。


所謂、「スト・ペド路線の継承者」と言えるのではないでしょうか。
勿論あちらとはまた違った味わいではありますが、あのノリが嫌いな方でなければすんなりと楽しめると思います。
ちなみに、最新の1つ前の話では精神入れ替わりネタをやったのに、次の話ではなんの説明もなく元に戻っている。ああ、これぞ古き良きギャグ漫画の世界だなぁ、と妙に感心してしまった私でありました。



・hikoP

そしてラストは私も見始めたばかり。hikoPによる「アイドルバンド 春香のために」。こちらは今月始まったばかりの新しいシリーズになります。
某女子高生バンドアニメを見てティン!と来たという社長の提案により、春香の誕生祭ライブにサプライズ演奏を披露することになった美希・伊織・亜美真美の4人。楽器演奏がほぼ初心者である全員の練習風景を丁寧に描いています。
作者はノベマスシリーズ初挑戦ということもあって、インターフェースに特に凝ったところがあるというわけでもなく、至ってシンプルな画面構成。


では、どういうところが凝っているかと言うと…それはズバリBGM。
作中で使われるBGMは全てアイマス本編で使われるBGMのリミックス。しかも場面ごとに合わせて演奏楽器を変えたりするという徹底っぷり。
例えば亜美がベースの練習をする場面ではベースのみで弾かれたアレン曲、ドラムの練習をする真美の場面ではドラムのみのアレンジ…、といった具合。他にもあのお馴染み「てってってー」やコミュシーンBGMがギター、ピアノ、管楽器などで演奏されているのは凄く新鮮。


↑のようにBGMに驚くコメント続出。


更に2話では直前までは春香には内緒で、ということでボーカル合わせに呼ばれた千早との練習セッションがあるのですが、これもまた素晴らしい。



練習中の音鳴らしもそうなのですが、初心者的なまだ不慣れな演奏から、だいぶ慣れてきて一通り演奏出来る状態まで、使用する演奏を細かく使い分けて本当にアイドル達が上達していく様子が目に浮かぶように作られています。



内容もアイドルそれぞれが上達していき、バンドの楽しさを知る描写や楽器を扱う上での心構えをしっかり教えるなど、見ていて文句の出ない作りに好感度アップ。
こうした描写がしっかりしているためか、特にバンド経験者からの評判が高い様子。私はバンド未経験ですが、それでもしっかり「演奏することの楽しさ」が伝わってきました。
まだ2話分、30分ほどしかないので、今から見てもすぐ追いつけますよ〜。



以上、演出観点からオススメしてみた最近見ているノベマスシリーズ紹介でありました。