「この空間に、神は、いない」 〜S H IDOLM@STER 第一章前半より〜

産業商会さんの紹介記事架空戦記スレでの評判の高さに激しく興味が湧いていたアイマスペースオペラ、『S H IDOLM@STER』シリーズ。
現在までに投稿された全ての動画を見終えました。


・(・A・)P(呼びはアマミP)


結論:「なんで俺は今までこれを見とらんかったんじゃあああ!!」


いやもう、激しく大後悔ですよホント。
これほど俺好みな要素がたっぷり詰まっていて、しかも万再生クラスの架空戦記になんらひけを取らない、どころか「万回ってないのがおかしくね?」という面白さ!
全く私の目の節穴っぷりもどうかしてるな…。


というわけで久しぶりに単独紹介記事を書きたくなった&応援したくなったのでありました。



さてさて、この『S H IDOLM@STER』とはなんぞや、というところから詳しく説明していきましょう。
ベースとなるゲームは「シュヴァルツシルトV」。
このゲームのシナリオをベースに話は進んでいきます。

銀河を二つに割った第二次星間戦争の開始から20余年。
両陣営の疲弊は極みに達し、銀河帝国とレプシトール……いずれの勝利か明らかにされないまま終結を迎えた。
終戦協定の締結後も、銀河を分かつこの二大超国家間の敵対関係が解消したわけではない。
しかし両国共通の利害は、それぞれの国情より遙かに大きなものだったのである。


一触即発の火種を抱える両陣営、銀河をわかつ時空の境。
その境界を守る「銀河帝国領辺境防衛機構〈ブルーインヴァルド〉」の任務はと問われれば……。
遙かな宇宙の闇、最新のHS航法をもってしても中央から一年は隔たる僻遠に在って存在し続けること。
存在しつづけることによって、銀河帝国の平和と秩序を守る。
壁向こうのレプシトールと再び戦端がひらかれ……今度こそ互いに退くことのできぬ最終戦争に入る、その日に備え。
その仕事の一端を担うべく、銀河帝国中枢からひとりの皇女が派遣された。
大いなる野望を秘め、彼女は動き出す。
iM@S架空戦記シリーズ補完wikiより抜粋)


この文章中にあるブルーインヴァルドに派遣された皇女こそ、我らがアイドル『ハルカ・アマミ・ブレットローズ』




シュヴァルツシルトV主人公+春閣下をベースとしたオリジナルキャラとして設定されていますが、この閣下がたまらなくカッコイイ!
もう命令されなくても跪きます orz……というか、そのカリスマ性の虜になってしまうほどの威厳あるキャラクターとなっているので、シュヴァルツシルトキャラが掛け合うと大抵が気圧されるか取り込まれてしまうという、言わば「銀河英雄伝説」の「皇帝ラインハルト」クラスの主人公。



で、ありながらアイドルやプロデューサーとの会話となると、




こんな風にニコマス内のいつでもどこでもで見かけるような優しい女の子の顔を見せるという2面性。このギャップがありえないんだけども、スゴイ。



そのハルカ皇女と行動を共にするアイドルとプロデューサーの役割はというと。



まずはアイドル達。彼女らと皇女ハルカは同じ能力を持っているのですが(というかその能力のために一緒にいる)、超能力によりコンピューターとリンクして手足のように戦艦、戦闘機といった艦船を自由に動かせる(一部例外あり)という力を持っています。
イメージとしては「ナデシコ」の「ホシノ・ルリ」、または「機動戦艦ヤマモト・ヨーコ」のシステムなどを思い浮かべてもらうとイメージしやすいかと思います。



各自に得手・不得手があり、


(1行目のセリフはリンク開始時の始動キーのようなもの)


マコトの得意とするのはファイター・ガンシップなどの機動性に優れた小型戦闘機。マコトはこれら複数の小型機の全てを手足のように操ることが出来ます。
しかしその代わりに戦艦などの大型船はまるでダメ…といった具合に能力が設定されストーリー中でもそれを上手く生かしています。



そして今貼った戦闘中の画面こそ、この『S H IDOLM@STER』の「H」、「HOMEWORLD2」を使った宇宙空間で繰り広げられる迫力ある戦闘シーン。




(冒頭の演習シーンより。中央付近に見える縦に平べったい物体がチハヤが操艦するマザーシップ『アイアンウォール』)




(艦船の爆発により漆黒の宇宙に閃光が広がる!)




(戦闘ミッション遂行中の1場面。ファイターが敵戦闘艦への近接攻撃を試みる)




(隊列を組んだ戦闘機部隊が悠然と進むシーンは見所の1つ)




宇宙空間ということで爆発などのSEは無し、という設定ながら、とにかく細かくよく動く戦闘画面(リアルタイムSLGなので作者が移動先や攻撃目標などの指示を出す、これらとはまた違った画面もあります)と多くのアニメ、ゲームなどからかき集めてきた燃えるBGM群が見ていて飽きない爽快感を演出。
「HOMEWORLD2」で用意されたシチュエーションを上手く調理して『S H IDOLM@STER』の戦闘シーンとして全く違和感なく見せてくれるその手腕はお見事。


更に手腕といえば欠かせないのは(・A・)Pの書く魅力的なテキスト。
限られた情報しか得られていないシュヴァルツシルトキャラをそのテキスト力で再構築、どいつもこいつも魅力的なサブキャラとして描いてくれているのですよ。


ハルカの師匠にして頼れる右腕、ケネス
いつでも冷静沈着な秘書官、アリスン
どこからどうみてもポプランです、本当に(ryな、デビッド
むささび?せっかくだから?なんのことだい、ハワード
アイマスキャラだって食っちまうガチレズ、フィオナ
謎が謎呼ぶ道化参謀、ルーケ
誇りと矜持と親友と、イーディス
魔術師ヤンか後藤隊長かといったキレ者臭漂う、ギャラガ
この数年胃薬が手放せません、パーシー
などなど。


もしノカデミー賞前にこのシリーズを見ていたら助演部門に誰か入れてたであろうことは確実クラスの人材がごろごろしておりました。うーん、その意味でも実にもったいないことをした。もっと早く見ていれば…。



本筋はシュヴァルツシルトのままでありながら、それを彩るキャラクターたちが容量などのくびきを解き放たれ一層輝いている。『S H IDOLM@STER』を見ていてそう感じました。
本当に(・A・)Pの描くキャラクターたちは魅力的すぎて困る。



そうそう、忘れちゃいけないPの立ち位置ですがマザーシップの設計者でもありハルカ達を支える良き大人であり(とある自覚がある辺りも大変宜しい)ハルカ達の目標の協力者でもあり、といった立場に置かれています。





インターミッションなどでは視聴者への説明役に扮することも。
(ただし出番は少なめ。あくまで脇を支えるキャラの1人です。今のところは)



元ゲームを知らない私らのような立場の視聴者への配慮もしっかりとやってくれ、疑問に思ったことへの回答もすぐに出してくれる(年齢やユニット生産、ワープに関する納得いく理由付けなど)のも、しっかり設定を作りこんである証と言えましょう。


各章頭にOP、章終わりにはEDを持ってきてくれたりと至れり尽くせり。
クオリティは初回から折り紙つき。2章から既に燃えるポイント満載、先に進むにつれ涙腺刺激ポイントまで豊富になっていくというストーリー展開の上手さは私をファンにするのに十分すぎるぐらいです。
色んな場面が甦ってくるのですが、見終えたばかりの6章はホントにやばかった…。あそこまで色んな感情の混ざった泣き方をしたのはアイマスエスト以来ではなかろうか…。何1つネタバレの出来ない感動を味わいました。


テキスト速度がややゆっくり目なので(情報処理の時間として配慮してあるのかな)人によっては合わない面もあるかとは思いますが、私はとにかく見ていなかったことを後悔しました。そんなレベルの内容です。



ストーリー的にはまだ序盤なのか中盤に入ってくる辺りなのか。
先は長いですが、ゆっくりじっくり追いかけ続けていこうと思います。



ああ、楽しみがまた1つ…。